アフリカの怪しい職業タンザニア時代。俺はいろいろな怪しい職業の方にお会いしている。 今回は、そんな怪しげな職業の中でも、トップクラスで社会的地位が高い、ウィッチドクター系の方々のお話だ。 タンザニアでお会いした。 そっち系列の職業の方々は。 1.ウィッチドクター(呪医) 2.レインメーカー(雨乞い師) 3.ディバイナー(占い師) 4.メディスンマン(薬剤師) 5.シャーマン (祈祷師) これが五大怪しい職業と勝手に称している(笑) 1.ウィッチドクター(呪医) かつて、フリーページのトップでご紹介していたこのおばちゃん。 また改めてご紹介。 俺僕の知り合いのおばちゃんにウィッチドクター(呪医)がいたんだけれども。 日本の報道なんかだと迷信扱いして完全に馬鹿にされているが、(まぁ確かにインチキも多いんですけど)、結構現地の人は頼ってやってきます。 まず西洋医学に見放された重病患者さんたちが結構います。そして診療報酬もめちゃくちゃ高いのに、患者さんは絶えません。 そして感謝されまくってます。なんで??? アフリカなんかだと、西洋医学の医者も、呪医も結構高い位にいる。そして人々から畏敬の念で見られています。 ウィッチドクターのおばちゃんは、僕と仲がよかったので写真もたくさん取らせてくれました。普通はそんなことないそうですよ。 そのおばちゃん曰く。『私はサイコセラピスト(催眠療法師)』 そうなんです。西洋医学で直らないエイズなんかが蔓延しているアフリカ。もちろんウィッチドクターも直せませんが、気分的に改善させてくれるのです。まさに病は気から。 ↑ 初公開!呪医の治療風景 ある日ウィッチドクターのおばちゃんが黄熱病にかかってました。なんか錠剤飲んでました。治せないんじゃん! そしてそのおばちゃんの息子さんは英国に留学していたそうです。西洋医学の勉強のために。 でもその息子、英国で友達とかに『あなたのお母さんは何やってますか?』って聞かれたらなんて答えるんだろう? 『ウィッチドクターです。』っていうんだろうか?西洋医学を学ぶものが・・。 2.レインメーカー これはあまり聞かない言葉のように思えるが。 日本語に直すと、たぶん『雨乞い師』だ。 俺の家から約200km位南下した所に、『ンゼガ』という場所がある。 ここは大変貧しい土地柄で、雨季も雨が少なくたびたび困る事が多いそうだ。 とある往診時に、ここに訪れたんだけど。 そのときに、村の人がみんなで集まって、これから雨乞い師のところへ雨を降らせてもらうようお願いしに行くと言っていた。 雨乞い師にはどうやら2種類いるようで。 ひとつは、雨が接近するとその身を通して教えるタイプ。 もうひとつが、雨を降らせるというタイプだ。 ここの雨乞い師は、それが二人でコンビになっていた。 村の人は結構な大金をはたいて、頼んでいるんですよ。 それで、雨乞い師曰く 『○○日に、雨を降らすために雨を連れて来る。それまで待っていなさい。』 それでね、実際。 雨が降ったんですよっ!(驚) でもね、これは実は科学的に立証できる。 彼は『雨を連れて来る』といったが、実際はいつ雨が降るかを予報していたのだ。 まぁ、言葉巧みに利用すれば、自らの超能力で降らせたように見えるんだ。 そしてこの雨乞い師のパートナーは、実はてんかん持ち。 てんかん発作は、低気圧が近づくと発症する事は医学的に証明されている。 アフリカじゃぁ、それを長い経験から取得していて。 てんかん持ちが、雨(低気圧)が近づくと神が取り憑く(=てんかん発症)ってな感じで伝えられていただけ。 こういった雨乞い師も結構社会的地位が高くて。 彼ら曰く『日本にも同じようなやつらがいるはずだ』 そう、それは天気予報士なんだ。 言い方次第で、科学的に見えるか、非科学的に見えるか、それだけのこと。 それが人工衛星などの近代科学を屈指しているか、昔ながらの経験及び原始的な方法を用いているかの違いであって。 やっていることに変わりはないのだ。 (写真は残念ながらありません) 3.ディバイナー(占い師) これは『占い師』の事。 この怪しい職業の中で、最も怪しい。 日本でも、なにやらおばちゃんがTVで『あなた地獄に落ちるわよ!』なんてバカな事をぬかしてやがるが、あれは確実にいんちきのいかさまである♪ まず、これはショーとみていいと思う。 写真は、そんな占い師。 もうやる気満々だよ。 そして、占っちゃってもらっちゃってたりするのだ(笑) 結構『私は占い師ですよっ!』って格好しているでしょ?もうやる気満々だよっ(笑) ちょっとフィリピンの呪術師とはちょっと雰囲気が違ってましたよ。 いやいや、実際にいるんですよ、やらせかも知れないけど。 なんか彼のアイテムには、そりゃあもう『占い師です』てな感じのアイテムが。 ↑ 占い師の必須のアイテムたち なんかね、占ってくれる時、なんかの動物の骨をごろんっって転がしてたよ。 そのときの占い師さんの言葉は。 『数年後あなたは結婚するであろう。』 ・・・・それでさ、いつ?何時何分何曜日?相手はだれなの? そこまで聞いても、結局教えてくれませんでしたね。ひとつボソッと言っていたのは。 相手はアフリカ人。まじでっ!!?? それは、おまへの知識に、アフリカしかないからじゃないのか? なんて思っちゃいけません(笑) でもね、残念ながら、彼の占いの結果は今のところ当たってないよっ(泣) てかさぁ、漠然としすぎだよっ。 占い師さんのみなさん。 占うんならさぁ。 『何時何分何曜日に、○○(具体的に)で、○○になる(とっても具体的に)』ってな感じに、きっちり言ってもらわなきゃ困るね。 みなさん、占いなんて信じちゃいけないよ。 ありゃぁ、一種の詐欺師か、ショーだよ(笑) 4.メディスンマン メディスンマンとは、薬草や、動物から取れる薬効成分のあるものを識別して、それを民間に売ったりして生計を立てている人たちの事。 日本なんかで言うところの『漢方薬』だ。 ↑ マサイから教わった薬用の木の一種 このメディスンマン、伝統的なのかどうなのか良く知らないけれど。 実はマサイ族がよくやっている。 確かにマサイは草原で暮らしているだけあって、いろいろな薬草を良く知っているんだ。 これはソーセージツリー。 バカでっかい、ソーセージのような実のなるこの木、実はつる植物なんだけど、あんまりにもバカでっかくて、普通の木にしか見えません。 この実は、食用にこそならないけれども、実は非常に有効な薬となるのです。 かなり有効な抗菌作用があって、人間のほうじゃ赤痢やご婦人の乳房炎なんかによく使われる。細かく刻んでせんじて飲むもよし、患部に張るのもよし。 アフリカ時代は、薬品がなかなか購入できなかった。 だからこうした、プラントメディスンをよく使っていました。 これも当初マサイから教わった、薬用植物でした。 最近有名になってきた職業で『プラント・ハンター』って言うのがあるんだけれども。 これは、いろいろな新種の植物を発見してその中から焼く孔のある植物を発見し、それを製薬会社に売ったり、特許を取ったりする人たちだ。大抵植物学者がなったりしているけれども、俺もこの職業に憧れちゃったりしたもんだ。 それでこのプラント・ハンター、実はマサイのお世話になっている。 そりゃそうだよ、ジモティーのほうが詳しいに決まっているんだから。 5.シャーマン(祈祷師) 日本なんかでも家を新しく建てたりするときに、『地慎祭』なんかといって、神主さんがやってきて、お払いみたいな儀式をしますよね。 シャーマンとは、そんな感じのなにやら怪しげな事を一手に引き受ける職業の方と思ってもらってもいいかと思う。 ただ、アフリカの場合、胡散臭さ、怪しさなんかのパワーが全開なので、日本の神主さんと一色単にするのはちょっとおかしい。 タンザニアには、3大魔術師部族と言われるのがあるのだ。 サンバー族 フィパ族 ウケレウエ族 この3つの部族は、タンザニアの中でも最強、最凶と恐れられている呪われた(?)部族なのである♪ サンバー族は、インド洋沿岸のタンガと言う都市を中心に居住する部族。 噂だと、ここの部族は椰子の木に呪いをかけて喋らせたり、歩かせたりできるそうな(笑) 他にひょうたんを喋らせたり、ビール瓶をおじいちゃんの姿に変えたり・・・。 ・・・・。 で、なんの役に立つの?なんて言ってはいけない! ほらさ、ココナッツが喋ってたりしたらさ、やっぱびびるじゃん♪ ひょうたんが喋ってたら、結構笑うじゃん♪ ビール瓶をよぼよぼのおじいちゃんに変えたらさ、全然役に立たないね(笑) ・・・・。 フィパ族は、タンザニア南西部、ザンビアとの国境に近いスンバワンガという町を中心に居住する部族。 実は、俺もこのフィパ族の呪い(じゃないな)というか、マジックを体験した事がある。 タンザニアの西端に、タンガニーカ湖というとってもきれいな湖があるんだけれど。 そこから、スンバワンガへとほぼヒッチハイクで移動していた時の事である。 キゴマからスンバワンガまでの直通の交通手段は特にないのだが、この時乗り合いバスが、運行していた。 その時、なにやら老夫婦が、その乗り合いバスに乗る乗らないでもめていたのを目撃した。 どうやら、運賃を持っていなかったにもかかわらず、スンバワンガに行こうとしているようだった。 で結局、その老夫婦はバスに乗せてもらえずに、バスは出発。 まぁ、旅路はそれはいろんな事があったのだが、とりあえず無事にスンバワンガ到着。 そしたらさ、なんとあのバスに乗らなかったはずの老夫婦がバス停にいるじゃあーりませんか!(本当) ものすごい不思議だった。俺はてっきりキゴマに戻ってきちゃったのかと思っていたくらいだ。 そのときにバスでキゴマから一緒に乗り合わせたほかの乗客のおっちゃんから聞いた話では。 あの二人は、乗客の誰かに指輪か何かを渡して、その指輪の中に隠れてやってきたんだといっていた。んなバカな! でも事実二人は俺の目の前にいたのだ。 俺がタンザニアで出会った不可思議な事のひとつである。 このフィパ族、タンザニア3大呪術師部族の中でもとりわけ強力らしい。 さて、最後に紹介する怪しい呪術師部族は。 なんと俺が住んでいた地元ビクトリア湖に浮かぶウケレウエ島に住んでいるウケレウエ族だ。 ウケレウエを略すと『UK』となり、よくウケレウエ族の高校生なんかが先生から『お前はどこから来た?』と聞かれると『UKです!』と張り切って答えるらしい(笑) ※:通常UKというと大英帝国のことを指します。 さてそんなウケレウエ族が住むウケレウエ島、水質汚染が進んでしまったビクトリア湖で、なんと『鳴き砂』がある浜辺があるくらいきれいな島なのだ。 そして、とっても穏やかな島。 まるでインド洋沿岸部の穏やかな村を訪ねているかのごとく、のんびりとした時間がすごせるそんなところなんだ。 そんなウケレウエ島に住むウケレウエ族、対岸の大陸側に住むスクマ族からは、『俺らよりもムチャウイ!(呪術師の意)』と恐れられている。 ※:スクマ族も充分怪しいムチャウイ部族である♪ スクマ族曰く、『やつらは呪いの儀式のためにワニを飼っているんだぞ!』とウケレウエ島へ行くと言った俺を脅して止めようとしたもんである。 そんなことを言っているスクマ族は、儀式のために大蛇を飼育したりしていて、俺に診察を依頼した事があるのである♪ ウケレウエ島で、ワニの飼育現場を見る事はできなかったけれども。 実際、ワニを飼っているそうである。 写真は、そんなウケレウエ島の岸辺で、まるで猿のごとくはしゃいで泳ぐウケレウエ族の子供たち♪ じつは、そんな最凶ムチャウイ部族も恐れる部族がこのウケレウエ島の北部に位置するから島という島に住むカラ族なのだそうな(笑) 何でもカラ族はウケレウエ族のムチャウイの師匠らしい♪ こんな所にも師弟関係があったりする。 一説に呪術師の存在する部族は非常に平和らしい。 なぜならば、呪いを恐れて悪さをするやつがいないからだという事。 祟りを恐れて、供養したり、御神木を切り倒せない日本人になんとなく似ていませんか? さてさて、こうして紹介した怪しい五大職業の方々。 でも決して怪しいわけではなく。 さらに社会にものすごく貢献しちゃったりしている。 それは言葉のいいようで、怪しくもなるもんじゃないのかな。 ひょっとしたらさ、もっともっと怪しい職業がみんなの身の回りにもあったりしてね。 普通のサラリーマンとかさ(笑) 獣医とかさ(笑) そっちのほうがもっともっと怪しくて。 あこぎだったりするかもよ。 ※おまけ タンザニアの部族の中に、いまだに狩猟生活を続けている部族の人たちがいる。 ヒウォミー族、ハザピ族、サンダウェ族なんかがそうである。 彼らが話す言語はクイックランゲージと呼ばれる。まぁよく知られているところだと、ブッシュマン(サン族)の話している言葉に近い言語だ。 サンダウェは、結構近代化が好きな部族で結構都会に進出してきており、近代文明に慣れ親しんでいて、ちゃっかりオフィスなんかの仕事もしちゃっている人たちなんかもいる。 その反面、ヒウォミー、ハザピは、いまだに昔ながらのスタイルを保っている狩猟民族なのである。 ヒウォミー族は、結構ニヒルなとこが会って、あまり外部との接触を保とうとしないんだけど、ハザピはかなりフレンドリーであって、結構他の部族との接触を積極的に取ったりしてるんだ。 そして、彼らは自分らの生活スタイルを誇りにしている。 ムワンザから東南東へ約200キロ行った所に、『マサワ』と呼ばれる地区がある。 まぁぶっちゃけ、セレンゲティの延長線上みたいな所である。 実はそんなところへツーリングへ行った事があるんだけれども。 その時、ハザピ族の小僧に出会ったことがあった。 マサワの北北西部は、『キジェレシ』と呼ばれる場所で、まぁぶっちゃけバイクも入れるセレンゲティという感じの所で、実はダチョウを追っかけたりして遊んでいたのだ。 他の仲間と休憩していた時、どこからともなくやつはやって来た。 もちろん周りには民家なんかない。 スワヒリ語で話しかけると、相手は俺らよりもへたっぴなスワヒリ語で話しかけてきた。 俺:『こんなところで何してるの?』 ハザピ:『その乗り物は何だ?』 俺:『ピキピキ(バイクの意)だよ、俺らはウスクマーニ(スクマランド、ムワンザの意)からやってきたんだ』 ハザピ:『お前らは、スクマ族か?』 俺:『いや、ムジャパニだよ』 ハザピ:『スクマの仲間か?』 俺:『まぁ、仲いいよ、そんな感じだ』 そんな感じで話をしていると、彼がうまいもんを食わしてやると言い出す。 その代わり、ピキピキに乗りたいと言い出した。 まぁ、やつに運転は無理だと思うから、後ろに乗っけてやる事にした。 ピキにやつを乗せると、俺の指図どおりに行けと言う。 そんなこんなで、しばらくバイクで移動していると、ちょっとしたブッシュに辿り着いた。 なにやらやつの仲間がわらわらと出てくる。 そして彼らに振舞われたのが、はちみつ。 はちみつははちみつでも、生の取れたてのはちみつなのだ。 はちみつをスワヒリ語で『アサリ』という。その中でも『アサリンビチ』と呼ばれる取れた手のこのはちみつは、それはそれは高級品なのである。 彼らは蜂の巣を結構簡単に見つけるんだ。 それは、『ミツオシエ』と呼ばれる鳥と手を組んでいるんだそうな。 ↑ ミツオシエの巣(だと思う) 日本に帰国後知ったんですが、なにやらやつらハザピ族の家族にホームステイしに来ていたTV番組やってましたよ。 TVだとなんかの原に野宿している雰囲気で放映されていたけど、ちゃんとやつらは簡素な家を作って住んでいますよ。 彼らから貰ったはちみつ、めっちゃうまかった♪ なんかね蜜の中に時々ハチも入ってたけど、あんまり気にしなかった(笑) 彼らはこうして今でも、タンザニアの平原で狩猟、採集生活を続けている。 まだまだ彼らを養っていけるくらいの自然があるって事なんだ。 今、大英帝国から帰国し。 その前フィリピンで働いて。 今後、中国の上海で仕事する。 そんな今、すごくあのタンザニアでの生活を思い出したよ。 ああした生活大好きだったけど、たぶん俺も一応文明人。 今後することはないかもしれない。 でもあの頃のあの体験はすっごく貴重だった。 そしてあの頃の経験が今の俺を支えてくれているんだ。 ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|